このブログの読者はあまり多くありません。
アクセス数は多くても1日1000まではいきません。
でも、本誌の方は毎号、何万人もの方の手に渡っています。
本誌の方はスーパーに置いてあったからピックアップして流し読みされる方も多いと思いますが、中には一文字一句残さず読んで下さる熱心な読者さんもいらっしゃいます。
ブログは、何かのワードがひっかかってチェックしてくださる方が多いので内容をじっくり読んでくださる方が多いようです。
本誌もブログも誰でも読めるのが共通点ですが、読まれる方の価値観はそれぞれ違うので、時々、「え、そんなとこがひっかかりました?」っていうことでクレームが来ることがあります。
元々、本誌は美と笑いの情報誌を目指して創刊しました。
でも、笑いの方はちょっとふざけると必ずクレームが来ました。
「こんな女はイヤだ!」みたいな小さな特集をしたら、女性誌なのに女性蔑視だと電話がかかってきました。
「ここが変だよ、アメリカ人」的な特集をしたら、人種差別だと怒られました。
芸能人目撃ネタを集めれば「芸能人のプライバシーの侵害」と注意されました。
「ぼくいき」に「おじさんのお葬式で、ちょっとしたきっかけで笑いが止まらず困った」というネタを載せたら、最近お父さんを亡くされたという方から、「お葬式で笑う人なんていない、こんな不謹慎なネタを送る人も載せる人も常識がなさすぎる」と怒り心頭のお電話を頂きました。
また、ちょっと下ネタを書いたら「14歳の娘に、これどういう意味?と聞かれた」とクレームも来ました。
心霊スポット探検では、そのスポットを管理する不動産会社の人に訴えられそうになりました。(これはちょっと違うか…)
私は打たれ弱いので、こうしたお笑い色の濃いコーナーや私の趣味的なコーナーはだんだん本誌から消えて行きました。
あきらかな言いがかりは無視しましたが、本誌が無料である以上、無視するわけにはいかないご意見もあり、それらは会社経営、雑誌編集をする上で、大変良い勉強と経験になりました。
また、つい先日、猫のアダプションのブログを読んだ方から「毛色や顔で選ぶなんて猫が可哀想」とメッセージが届きました。
「面白おかしく書いても、それを読んで傷付く人がいることを知ってほしい。」と。
その方には、色々な事情があり、そのブログを読んで身につまされる思いがあったそうです。
なので、元々は子猫の写真のキャプションに「目を開けたらブスだった!」とか書いてましたが、そこは編集しました。
今さらながらですが、文章って難しいですね。
万人に喜ばれるものなんて誰も書けませんが、公の立ち場で文章を書くのは多くの配慮と覚悟が必要です。
そして、どうやら、私にはあまりデリカシーがないみたいです。
私はナンシー関さんとか、西原理恵子さんとか、いわゆる毒舌と言われる方達のエッセイやマンガに感化されて文章を書きたくなった人間ですので、その影響は、意識していなくても自分の書くものに現れているのではないかと思います。
毒舌=笑いではないのは重々承知していますが、ウケようと思ってついくささなくてよいものをくさしてしまったり、乱暴な言葉遣いで短絡的に笑いを求めてしまうことが確かにあると思います。
でも、本誌ではその本性が出ないよう、かなり気をつけているつもりです。
ですが、あまり気をつけすぎると、本当につまらない、どこも読む所がない、読んでも記憶に残らない記事しか書けないんですよね。
本当に難しいです。
書きたいことが書けないストレスをぶちまける裏ブログもしてましたが、最近、なんだかそんなことをやっている自分がイヤになって、酷い内容のものは全部削除しました。
一応ですね、本誌の記事には一貫したテーマがあります。
それは、読者の方に語りかけるつもりで書く、ということです。
それは時に、押し付けがましいかもしれません。
あんたに言われなくても知ってるわ!と思う記事もあるかもしれません。
でも、読者の方に「コラーゲンて何?」と聞かれたこともあり、また、この街では日本語を忘れかけている方も読んでくださっているので、出来る限りどなたでもわかりやすい記事になるよう心掛けています。
プロ(と名乗る)ライターさんでも、わかりづらい文章を書く方がいます。
たとえば、「アイメイクはゴールドを中央に乗せ」、という感じで、「ゴールドのアイシャドウをまぶたの中央に乗せ」としないといけないところをかなり省略してしまう人もいます。
自分は資料や写真を見ながら書いているので、その文でも意味がわかりますが、読み手の方は何の事やらです。
だから、「何も資料がない人に電話で説明するつもりで文章を書いてください」とお願いしています。
コラムを提供して下さっている先生達にも、「わかりやすくて読者の方のためになり、且つ広告色のないエッセイにしてください」と、広告代を頂いている身で偉そうにお願いしています。
情報誌を名乗る以上、内容が読み手に伝わらなければ何の意味もありません。
なので毎号、「伝えたい」という思いを込め、心を込めて作っています。
本誌は編集に関しては中心人物は私しかいないので、やりやすい反面、時々迷いもあります。
これでいいのか、こんなこと書いたら非常識じゃないか、これ笑ってもらえるかな…って。
そうやって時々迷いながらも、あとは大体は好き勝手にやっていたので、なんだかんだで今月で創刊から丸17年も続きました。
でも、今朝、ふと、次号の特集のことを考えている時、「私も随分オバちゃんになって来たし、若くてピチピチした新しい編集長を探そうかな~」と思ったので、こんなとりとめのないことを書いてしまいました。
長文お付き合いありがとうございました。
万が一、新編集長に立候補したい方がいましたら連絡ください。
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文章を書くって難しい。今さらですが。
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